FDセミナー「図書館サイトからのデータベース活用」に参加して
岡田 勇(経営学部・講師)
去る2月23日、CETL(教育学習活動支援センター)が主催したFDセミナーに、図書館がワークショップを行うというので、参加させていただいた。受講動機は、国立情報学研究所(NII)の電子図書館サービス NACSIS-ELS と論文情報検索サービス NACSIS-IR がそれぞれ2005年度より統合されるので、実際のところ本学ではどのようなサービスを受けられるか整理して理解したいと考えていたからであった。つまり、研究遂行上、本学図書館がどの程度役立つのかということを知りたかったのである。セミナーの目的はFD(学生のための教育支援)にあるので、不純な動機であったわけである。
そういうわけで、不真面目な受講生である私は、やや遅れて会場に足を踏み入れた。しかし、すぐにその不真面目さを後悔することになった。配布資料といい、図書館側のプレゼンテーションといい、極めて良質なワークショップであったからである。何よりも、図書館が時代の先端に対して敏感に対応し、なおかつ、本学らしさも追求していることが分かりやすく提示され、魅力的で有意義な内容であり感銘を受けた。1年ほど前に創立者が図書館をご見学されたと伺っていたが、それに応えんとする図書館の「やる気」に敬服した次第である。
内容で注目すべき点は3つあった。一つは、本来の受講動機である研究目的の利用に関するアベイラビリティの高さに関してである。特に論文検索や資料入手に関する電子化は、ワールドワイドに研究で勝負しようとする者にとって、得がたい援軍である。
次に、学生への情報提供サービスの充実やその講習に関する積極性である。私も含めほとんどの教員が、調べてレポートを作成する、といった課題を有意義であると感じ、実際に授業で行っていると思われるが、その際に、図書館が提供するサービスを十二分に活用することで、期待以上の教育効果が図れるだろうとの期待を抱かせた。早速いくつかの講義で、図書館の充実したサービスを前提にした課題を実施したいと考えている。ちなみに、情報をやや専門的に扱う者の個人的見解としては、昨今の情報過多社会においては、如何に的確な情報を探索、整理でき、その上で自身の意見を構築していけるのかが重要なスキルとなってくるだろうと思っている。その際にも、図書館がこのような充実したインフラを提供している限り、良質な教育が提供可能であるだろう。
最後に読書マラソンについてである。セミナーの最後に、講師が、抑制を効かしつつ圧倒的な説得力をもって訴えていたことは、学生のための図書館であらんという決意であった。その具体的な運動として、昨今の学生の要望を鋭く感じ取り、企画化されたものと思われる「読書マラソン」に対して、図書館が主体者として責任をもって推進しようとする姿勢に大変共感を覚えた。読書マラソンについては、その趣旨に大変共鳴していただけに、今春受け持つ1年生には是非是非積極的に訴えていきたいと決意を新たにした次第である。
今後とも、図書館の先進的なビジョンとその実現を期待しつつ、スタッフの方々の献身的なご努力に敬意を表したい。